主イイススの変容(しゅイイススのへんよう、Transfiguration of Jesus)は、福音書に記述された、イイスス・ハリストスが高い山に弟子たち(ペトロ、ヨハネ、ヤコブ)を伴い、旧約の預言者であるモーセとエリヤと語り合いながら白く光り輝く姿を弟子たちに示したと聖書に記された出来事をいう(マタイによる福音書17章1節 - 9節、マルコによる福音書9章2節 - 8節、ルカによる福音書9章28節 - 36節)。
山の名は正教会においては「タボル山(スラヴ語ではファヴォル山)」と伝承されているが、聖書には山の名についての記載は無い。山において、イイスス・ハリストスは預言者とともに語り合いながら光り輝く姿を弟子達に見せたと伝えられる。教会では、この世的な意味でのキリストの勝利(イスラエルの解放)を願う弟子達に対し、自らの受難を予言し続けたキリストが、これから受ける苦難に際して信仰し続ける希望を与えるためにこの奇蹟を行ったと伝えられる。
正教会ではこの時のイイスス・ハリストスの光が、ヘシュカスム(静寂主義)の際に放たれる光と同一のものであるとされる。このことに関する神学はグリゴリオス・パラマスによって体系化された。
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