6月29日
聖ペトロ使徒・聖パウロ使徒
《聖ペトロ使徒》
◆聖ペトロの名前
⦿使徒聖ペトロは、主イエスの最初の弟子たちのひとりで、洗礼者聖ヨハネの弟子だった聖アンデレにより、主のもとに連れて来られました。(ヨハネ1:35~42)
⦿彼はこの時に主から「ケファ(岩の意味)」という名前を与えられています。(マルコ3:16、ヨハネ1:42)
⦿「ペトロ(ギリシャ名)」の名前は他にも、ヘブライ語の「シメオン」、ギリシャ語の「シモン(聞くの意味)」、アラム語の「ケファ」、そして「シモン・ペトロ」という結合形があります。
◆主から司牧の使命を受ける
⦿聖ペトロと聖アンデレは兄弟で、ゼベダイの息子たちといわれる聖ヤコブと聖ヨハネと共同で漁業を営んでいました。(マタイ4:18~22、マルコ1:16~21、ルカ5:7、10)
⦿聖ペトロは妻帯者であり、妻は聖霊降臨後以降、他の使徒たちの妻と同じように、夫と共に福音宣教に同行しました。(1コリント9:55)
⦿また、使徒聖ヤコブと聖ヨハネとともに特別な機会に、主イエスと同行する恵みを受けています。
⦿それは、主の変容(マタイ17:1~2、マルコ9:2、ルカ9:28~29)、ヤイロの娘を蘇えさせた時(マルコ5:22~24、35~42)、ゲッセマネでの祈りの時(マタイ26:36~46、マルコ14:32~42)の場面です。4つの福音書には、使徒のうち聖ペトロの言葉が誰よりも多く記録されています
⦿聖ペトロは内気で優柔不断な人ではなく、活動的な人であったようで、エルサレムの滅亡や主の再臨と世の終わりについて主に尋ねたのは、聖ペトロ以外には、聖ヨハネ、聖ヤコブ、聖アンデレでした。(マタイ24:3、マルコ13:1~3)
⦿主は3度ご自身を否定した聖ペトロに対して、ご自分の羊たちを司牧する使命を与えられたのは、ご自分を愛するかどうかと3度質問された際でした。(ヨハネ21:15~17)
《聖パウロ使徒》
◆裕福なファリサイ派の出身
⦿聖パウロは、幼年時代からサウロというヘブライ名と、パウロというローマ名を持っていました。(使徒8:1、9:1、2ペトロ3:15)
⦿彼は現在の地中海に面したトルコ南部、キリキアにあったタルソで生まれ、両親はヘブライ人で、ユダヤ教ファリサイ派の人でした。(使徒21:39、22:3、23:6、フィリピ3:5)
⦿聖パウロは生まれながらのローマ市民で、エルサレムでは、国民全体から尊敬を受けていた博識あるファリサイ派のガマリエルから教えを受けていたので、裕福な家の出身だったと思われます。(使徒5:34、22:3、28)
◆キリスト者への熱心な弾圧者
⦿聖パウロは、「新約聖書」に収められている数多くの書簡の著者になる恵みを神から与えられ、超自然的な幻を見ることや、聖霊によって多くの異言を話すことができました。(1コリント14:18、2コリント12:1~5)
⦿彼がまだ若く「サウロ」という名前だった頃、主イエスの弟子聖ステファノを石打ちにした偽証人たちは、サウロの足もとに自分たちの上着を置き、彼自身も聖ステファノの殺害に賛成し、律法を守ることに熱心なあまり、キリスト者への迫害・弾圧に血まなこになっていました。(使徒6:13、7:58、6:1、3)
⦿さらに、キリスト者を逮捕する権限認可の書類を大祭司に求め、信徒の処刑に賛成し、諸会堂での裁判では信徒に転向を迫り、荒れ狂いました。(使徒9:1~2、26:9~11)
◆異邦人の使徒としての使命を受ける
⦿聖パウロがキリスト者を逮捕するために、ダマスカスに近づいた時、突然光がさして、あたりを巡り照らし、主イエスが現われます。
⦿そこで主は聖パウロに、これから行うべきことを示されます。彼は主から直接、「異邦人たち、王たち、またイスラエルの子らにも、主の名を伝える器」として選ばれたのです。(使徒9:3~15)
⦿聖パウロは回心し、自分が主の模範に誠実に倣ったことで、『わたしに倣う者となりなさい』と言えることができました。(1コリント4:16、フィリピ3:17)
⦿彼は、小アジア・ギリシャ・ローマ・コリント・アテネ各地で福音宣教を熱心に行い、多くの困難に遭いながらも揺らぐことのない信仰により、主イエス・キリストの愛を伝え、多くの教会を設立しました。
⦿聖パウロは、聖ペトロが殉教した同じ時期、ローマで捕えられて殉教しました。彼は、ローマ帝国内のユダヤ人以外の土地と人々に福音宣教を行い、自らも「異邦人の使徒」と述べています。(ローマ11:13)
◆3世紀から祝われる
⦿初代教会の中心的な指導者であった使徒聖ペトロと聖パウロが殉教したのは、皇帝ネロによる迫害があった64年から67年頃とされています。両使徒が一緒に殉教した記録はありませんが、早い時期から共に記念されてきました。
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